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70歳以上の機関誌「銀杏」
旅を楽しむ
 
 
初旅(会津若松ほか)
 
 
藤堂順子(79歳)
 
 

 旅と言えば、私はその年の初旅を松の取れる1月7日と決めております。そして、このところは会津若松から車で一時間ほど掛かる柳津というひなびた温泉に行っております。

 会津といえば大抵の方は東山温泉を思い浮かべると思いますが、私も招待旅行で一度行ったことがありますが、立派な旅館が立ち並び、お湯も豊富ですが、芸者をあげてドンチャン騒ぎのお客が多いので私は嫌いです。反対に、柳津は芸者は一人もいませんし、パチンコ屋もありません。会津若松から支線で小1間掛かる湯野上温泉にもパチンコ屋はありません。芸者は少しはいるかも知れませんが、静かな家族旅行や静養旅行には向いた温泉です。

 湯野上温泉駅は珍しい駅で、茅葺き屋根で、囲炉裏もあります。駅から車で小1時間掛かる所に大内宿という江戸時代に栄えた町があり、今も当時の姿を残しています。また大抵の家は商売をしていなくても屋号をつけています。大内宿とは反対の方角の塔のへつりという所は、数千年掛かって出来た奇岩怪石が、数百メートルにわたって続いている所があり、そこへは吊橋を渡って行くことができます。眼下には青々とした淵が見える狭い路を歩くので気の弱い人には怖いかも知れません。

 私は、会津若松には数回行っておりますが、いつもは東北新幹線で郡山まで行き、そこから磐越西線で会津若松に行きますが、いつも同じルートではと思いまして、上越新幹線で越後湯沢駅まで行き、さらに上越線で小出駅、そして只見線で四時間近く掛けて会津若松まで行ったこともありました。丁度五月の頃でしたので、沿線には野生の藤の花があちこちに咲いており、僅かばかりの人家のある所には牡丹の花も見られて、新緑の林と良い対象の景色でした。

 また一度は浅草から東武線で鬼怒川経由で湯野上温泉駅で途中下車をして、前記の大内宿や塔のへつりを見物をし、時間がありましたので、湯野上温泉駅近くの恵比寿屋旅館の露天風呂に500円で入浴してから会津若松に行ったこともありました。

 翌日は喜多方に行きラーメンを頂きました。午後2時頃でしたのに、おいしいと云われているお店には数人の行列がありました。会津若松には、野口英世博士が学生の頃に下宿していた家が、今は喫茶店になっておりました。ここで頂いたコーヒーの味も思い出の一つになっております。

 会津若松から40分ほど郡山寄りの猪苗代駅から、タクシーで30分くらいの所にある元は高松宮様の別荘だった家が、現在は天鏡閣と呼ばれて観光用に公開されていて、見学することが出来ました。二階建で全部洋間、家具なども当時のものが置いてあります。

 私が行きました日は大雪が降った翌日でしたので、泊まった国民宿舎から僅か数メートルの所なのに10十分も掛かったほどで、その日の見学者は私一人だとのことでした。

 
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