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70歳以上の機関誌「銀杏」
特別インタビュー  
     
 
 関係が深いハンガリーやフィンランド
 
     

豪快な笑顔で楽しくお話下さったダワージャルガル様  日本人は「外へうって出よう」という挑戦が少ないように思いますが、モンゴルの方は世界に目を向けていた。これはどういうことだと思われますか。
 活動範囲が広いと、それだけ目が開かれるということがあったのでしょうね。また、昔から中国との間で物々交換をしてきたのですが、その中国との関係も影響しているでしょう。こちらからは家畜の皮、羊毛、ミンク、岩塩などを持ち込み、中国からは民族衣装に使うシルク、綿、小麦、茶などが入ってきました。中国が強いときはこちらの商品を安く買おうとしましたが、そのときにはこちらが団結します。力を合わせないとうまくいかない、というときに団結した。そのときに限って強くなり、逆に攻めていって物を奪っちゃう。「それならいただいちゃおう」と。それ以外のときは一匹狼ですね。
 ハーン以前の匈奴(ふん又はきょうど)というモンゴル系の国も強かった。そのころ、中国はモンゴル系の民族から国を守るために万里の長城を造りました。その繰り返しの中で国を大きくしていったのでしょう。
 ハンガリー(のハン)は「フン」から来ているのですね。
 そうですね。匈奴という国は中で紛争を起こし、負けた方がヨーロッパに進んでいき、そのうちハンガリー高原に落ち着いた人々がいて、それでできた国がハンガリーです。現代でもモンゴル語で匈奴のことを「フン」といい、フンとは人間のことを指します。だから人間という名の国なのです。フィンランドも「匈奴から出た」といわれています。特にハンガリーは語源が同じ言葉が多いようです。だから、間違いなくそのあたりで血が混じっているのでしょうね。
 二十一世紀、次に出てくるのはモンゴルでしょうかね。
 モンゴルがまた、出てくることはないでしょう。人口の多い方が有利ですから、中国の方が(笑い)。モンゴルは中国の中に入らなくてよかったでしょう。時の運もあったでしょうが、力のバランスが計られてきたからでしょうね。モンゴルはハーンのあとも十六世紀までこの大きな国のままでしたが、清朝時代に支配下に入りました。そのときは、先に内モンゴル(現在の中国北部)がとらわれ、配下に入りました。その中で、満州民族は狩猟民族で遊牧もしていたのでモンゴルと共通点があった。モンゴルを特別扱いし、あまり圧力をかけないようにしてくれたのです。
 中国は人口が多く、あちらで暴動が起きたときは、内モンゴルやモンゴルから軍隊を派遣し、鎮圧に使ったのです。一方で、(政府は)中国人がこちらに入ることを制限してくれた。もし清朝の時代に中国人を制限していなかったら、モンゴルには中国人がおおぜいいて、モンゴルは中国の一部になっていたかもしれません。結局、二十世紀になるまでそれはなかった。まあ、ゴビ砂漠もありますし、ここはなかなか越えられるものじゃありませんから(笑い)。
 ソ連が崩壊してから同盟国となっているのは日本、アメリカなどの先進国で、特に日本は大きい(存在)です。
 肌や言葉が近くて親しみがありますね。
 モンゴル語、朝鮮語、日本語は同じ語族なのです。文法も語順が同じです。その意味では私たちが日本語を学ぶと、ものすごく早く上達します。三カ月いればだいたい言葉を話せるようになります。ただ、漢字は使いません。子どもは特に上達が早いですよ。
 将来、日本とモンゴルが仲良くなるためにがんばらなくちゃ。まあ、日本から私たち老人ホームを挙げてそちらに行くことはできないでしょうが。きょうはとてもおもしろい話を聞かせていただきました。
<編集後記>がっしりとした体躯をお持ちのダワージャルガル様の笑い声は実に豪快。広々とした土地の方だからなのでしょうか。

 

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