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近頃北朝鮮による拉致事件、その前には審陽総領事館の主権侵害事件など腹の立つことが多く、国民の意識がそちらに向いている。
しかし道路公団の問題を忘れてはならないと思うので、あえてこの問題を取り上げたい。
昔から官吏、政治家は利権漁りに熱心で(例外はあるだろうが)公益より私益を優先する人が多かったようである。いろいろな報道機関によると、道路公団は伏魔殿の一つと思われる。野中、古賀両先生など有力な議員が道路族と言われ、計画に入っている高速道路は全て道路公団の手で完成させるべきだと主張している。しかし道路ができても通行量が少なく、通行料をいくら高くしても建設費が回収できないとすれば、最終的には国家予算で穴埋めせざるを得なくなる。すなわちこれはまさしく税金の無駄遣いである。
日本の財政赤字は大変な金額になっており、にっちもさっちも行かなくなれば、最後に来るのはインフレであろう。日銀のお札は印刷機を廻しさえすれば、何兆円でも印刷できる。無益な戦争で莫大な戦費を浪費したため、終戦直後に大インフレが起こった。六十年近く経ったが、今も忘れることはない。インフレになったら一番悲惨な目に遭うのは、われわれ年金と預金が頼りの高齢者である。
道路公団に限ったことではないが、各種公団で一番問題なのは役人が退官するとここに天下りし、赤字に関係なく高額の給与をいただく。そして何年か経ったら、莫大な退職金をもらって別の公団に行く。二三度繰り返せば庶民に考えられもしない莫大な資産を築き上げることができる。公団の赤字など知ったことではない。
道路公団の場合、道路の補修、サービスエリアの食堂、ガソリンスタンドなど扶養家族が寄生虫のように公団から甘い汁を吸っている。もちろんその上前がどこに行っているかは想像に難くない。
封建社会だった江戸時代でさえ、上杉鷹山公のような藩政立て直しのため粉骨砕身された殿様がおられた。領地は自分の物ではない。公の物であると言われたと聞く。
日本では今でも水戸黄門様のドラマの人気が高い。史実ではないそうだが、葵のご紋の印籠をかざし、「この方は天下の副将軍水戸のご老公様であるぞ。控えろ」という助さんだか格さんだかが、貪官汚吏を叱るセリフには胸がすく。公団の偉い方も個人的には学校の成績もよく、それなりの人物なのだろう。その人物が悪代官に成り下がり(本人は成り上がったつもりか?)よく恥ずかしくないものである。
前記の両先生も国政を担う人材で、豪腕の聞こえ高い方だが、それを国民の利益に反する方向に使っておられるように思う。
かつて日本海軍に世界の三大馬鹿「ピラミッド、万里の長城、戦艦武蔵」という自嘲の言葉があったそうだ。車の通らない高速道路はまさしく平成三大馬鹿の一角に当選確実であろう。
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