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70歳以上の機関誌「銀杏」
俳句・短歌。時事川柳  
     
 
  俳句
 
 

秋草は優し流るる雲もまた
老一人住む窓明かりちちろ鳴く

吉野 久米(九三才)

山並みに陽沈まんとす蝉しぐれ
皆して屋上涼し花火待つ

布施 やす(八〇才)

受け皿の青き模様はクレマチス
救急車止まる気配や秋暑し

藤田 比呂子(七六才)

澄みわたる秋の夜長を虫の声
秋の陽を浴びて読書の昨日今日

井口 三代(七四才)

花冷えに京都の旧友を想いけり

山田 浩江(七七才)

花むくげホーム賑わうお茶の会
車椅子とめて見上げる百日紅

相川 良枝(八八才)

 
 
  短歌
 
 

楽しみし睡蓮の花いつとなく
    乏しくなりて夏更けにけり
豊島園の花火頭上に花咲かすを
    ホーム屋上に椅子並べ待つ
三十分に花火果つれば暗き空
    尚見上げいて人等動かず

吉野 久米(九三才)

青空にアルプス八ヶ岳くっきりと
    富士も望める清里の夏
コスモスを潜りて走る犬のあと
    花の真中を吾も走りぬ

林  晴美(七三才)

糊硬き浴衣を好み着たる日の
    我そわそわと嬉しさかくせず
真白き富士を目交わすひとときを
    この世の雑念ハタと忘るる

仙波 ツヤ子(七九才)

 
 
  時事川柳
 
 

夕方のデパ地下の列不況なし
足腰は立たねど立つは腹ばかり
休肝日鼻をつまんで遠廻り
貸店の貼紙目立つ商店街
北鮮の日帰りの旅笑顔なし

原田 啓子(八七才)

 

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