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70歳以上の機関誌「銀杏」
時事討論  
     
 
 憲法とイージス艦派遣
 
香山 昭三郎(七四才)
     

 親北朝鮮の政治家諸君は、日本人拉致が事実であったことが判明してから何とかごまかそうとしたが、ごまかしきれず不承不承謝罪した。しかし内心は反日・反米であり、何とかしてわが国の名誉を傷つけたい(まさかとは思うが)と考えているとしか思えない。
 わが国憲法の最大の特徴はその前文にある。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という一節である。世界中全ての国民が平和を愛し、公正と信義を旨としているなら結構だが、現実にはそうでない。よその国民を拉致する国もあれば、わが国固有の領土を奪い取って返さない国もある。靖国神社に参拝するな、教科書の記述がどうのこうのと内政干渉をする国もある。大量破壊、大量殺戮の兵器を持って、外交すなわち武力による脅迫と考えている国が海の向こうにたくさんいる。そんな国々に囲まれていてこんな現実と全く乖離した憲法を後生大事に抱えていれば、いつ頭の上から原爆や生物兵器を積んだミサイルが降って来るかわからない。
 さてこの前文を踏まえた本文の第二章「戦争の放棄」にあるのが、かの有名な第九条「戦争の放棄、軍備及び交戦権の否認」である。内閣法制局はこの第九条の解釈として「集団的自衛権を権利として保有しているが、それを行使することは憲法違反になる」という誠に不思議なことをいっている。
 現実に戻って、北朝鮮は日本人拉致を認めて謝罪した。今まで「不当な言いがかりだ」と拉致疑惑を否定していた北朝鮮が認めた理由は、米国の軍事力行使を恐れたからである。米国がイラクを攻撃したら、次は自分の番だと思うのは当然だろう。金正日も米国と戦って勝てないのはわかっていて、とりあえず一番お人好しの日本との関係改善をと思ったのだろう。
 ここで恐ろしいのは金正日が「どうせ殺されるなら、日本人も一緒に地獄へ連れて行こう」と思うことである。だが日本の情報収集能力からすると、頭の上からミサイルが落ちてくるまでわからないだろう。本格的な防衛は米軍が頼みの綱であることは間違いない。
 米軍はそのとき本当に日本を守ってくれるのだろうか。守るか守らないかは、米国の国益にプラスかどうかで決まる。日本を助けても何の役にも立たないと思ったら、日本は見殺しにされるだろう。集団的自衛権があるとかないとか、念仏を唱えても何の役にも立たないことは確かだ。
 ところでわが国の政治家で「イージス艦を派遣すると集団的自衛権行使になるからやめなさい」という人がいる。「日本が米国の側に立つことを鮮明にしたら、日本がテロの標的になる」とテレビで言った政治家がいる。この人は米国の核の傘の下にいたら原爆や生物兵器が降ってくると思っているのか。米軍の核の傘の下にいるから、日本の安全が保たれてきたのが現実であるのを認めないのか。日本を守る気に米国をさせるため、せめてイージス艦を派遣するぐらいのことはすべきでないのか。

 

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