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代表處の組織や仕事内容について、お教えください
台湾は三十年前まで、日本で大使館という名を持って活動していましたが、このとき両国の外交関係が切られ、今は代表處というおかしな名を使っています。それでも両国の関係はとても親密で、日本の代表處には百十人の職員がいます。世界六十カ国以上に大使館または 代表處がありますが、日本の代表處はアメリカの二百人に次いで二番目に大きく、たくさんの仕事をしています。
代表處はいくつかのセクションに分かれており、私が所属している部署は文化組といい、教育、文化、社会福祉、スポーツなどを担当しています。昨年プロ野球のダイエーが台湾で試合をしましたが、これも(うちの)仕事です。文化組は八人おり、四人は台湾からの留学生を現地採用し、四人は本国の教育省から派遣されています。社会福祉はわが国にとってとても難しい仕事ですが、こちらから日本に毎年、社会福祉に関する研修を受けに来ています。
そのほか、日本と台湾の経済の仕事を担当する経済組、ビザの発給を担当する査証組、台湾の外務省から派遣された業務組は両国政治家の交流、秘書組は日本の総務課に当たる仕事をしています。広報組は広報の仕事です。
うちの羅 福全 駐日代表は早稲田大学で勉強したことがあり、日本語は日本人並みで、みなさんから「日本人か」といわれます。早稲田卒業後は、アメリカの大学で博士号をとり、国連で研究員をしていました。
以前、取材でうかがったサウジアラビア大使館で聞いたところ、あちらでは男性が強そう(主導権を持っている)に見えますが、実際は「女性の方が強い」とのことでした。台湾は男性が強いのですか。
いえ、女性が強い!(笑い) 現在の政府閣僚には何人もの女性がいますよ。女性の特長として、言葉が早い、反応が早いです。今、一番難しい閣議、たとえば大陸(中国)に関する閣議などをやっているのは女性です。また、日本の新幹線に関連した仕事をしている台湾企業の社長は女性が務めています。男性じゃない。このプロジェクトで、台湾にも二○○五年ごろには新幹線ができる予定です。
かつて台湾の経済はコンピュータなどで高い技術水準にあり、活気がありましたが、近年は日本と同じようにかげりがみられます。これからの台湾経済はどのような方向を目指されますか。
この十年間、台湾の産業はほとんどコンピュータ産業が支えて来ました。日本からの技術協力がなければわが国の産業は発展しないですね。将来はFTA(自由貿易協定)を日本と結びたいと考えています。現時点での最大の貿易相手国は中国で緊密な関係を持っています。しかし、中国は台湾にミサイルを向けており、脅威でもあります。
私(岩城)の父は、「大陸の人とは違い、島国の人は島国同士、友だちになれる」と話していました。その意味でいうと、もっと(台湾と日本が)友だちにならなければ。今後両国が協力関係を強めることで、経済面などでよりいっそう立場を強化できると思われますが、いかがですか。
私の考えとしては、将来環境問題や緑(緑化)産業が大きなテーマになると注目しています。科学技術が進歩する一方で、環境汚染の問題も起こりました。人類が生存する上で(環境を)きれいにすることは重要なことです。緑産業において日本は高いレベルを持っています。その技術を台湾に教え、われわれが(共同で)アジアをきれいにしていくことが使命だと思っています。日本の力を借りなければならないですね。
台湾では去年から水不足になっています。木が少ないからでしょう。開発の影響です。
山が多い上に東南アジアでモンスーン地帯のまっただ中にあるのに・・・・・・。
去年から例年の気候と違ってきています。また毎年中国から、黄砂と硫酸を含む雨(酸性雨)の影響があります。環境の問題は世界的な問題ですね。一つの国だけでは解決できないことです。
同じ島国として、また中高年層の方々が日本をよくご存じである地として、私たちに助言をお願いします。
助言とは僭越なことですね。台湾人にとって日本はとても立派な国です。いっしょに仕事をした日本人の事務員はとても親切で丁寧ですし、必ず相手の立場を考えています。日本人から教わることがたくさんあります。お世辞じゃないですよ。すべて本当のことです。そのようなすばらしい国、すばらしい民族がどのように発展するかは、わが国にとってとても重要なことです。日本が発展することは台湾にとってとてもいいことです。日本の景気が悪いと、その影響を受けて台湾の景気も悪くなります。
この十年間、日本の経済はとても厳しい状況にありましたが、日本国民は自信を持っていませんね。自信を持たなければ発展はありません。ここ数年間をみると、ノーベル賞を日本人数人が受賞していますね。技術、知識、教育、どんな面をとっても他の国に遜色がない。自信を持たなければなりません。持てば力も出るし、目標も達成できます。日本が発展すればアジアの他の国も協力するだろうと思います。
日本人は頭もいいし、優しいし、技術力もあるのに自信を持たず、謙遜します。日本人は謙遜の民族ですね。自分のことを宣伝するのでなく、衷心から説明することが大切です。
きょうは限られた時間の中で粗末な説明になりましたが、足りないことがありましたら、どうぞご質問ください。わが国はこれから老人施設を建設するなど、みなさんにその方法についてご指導いただきたいと思っています。
喜んで。今日はどうもありがとうございました。
〈インタビューを終えて〉 インタビュー中、何度となく黄 先生は「日本のみなさまに教えていただくことがいろいろあります」とお話しされました。「自信を持つように」との激励は、今の日本にとってとても大切な言葉でしょう。われわれが帰るとき、玄関に立っていつまでも見送って下さいました。
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