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70歳以上の機関誌「銀杏」
特別インタビュー  
     
 
 両親と子の肌の色が違っても堂々と暮らせる養子縁組制度
 
     

Qフランス語を主として使う人の割合はどのくらいですか。

A英語が圧倒的で、七割くらいが英語です。

Qカナダはとても広い国ですね。そこに人口が三千万人……。

A国土面積でいうと日本の二十七倍あるのに、日本の四分の一の人口しかいないのだから、おおらかに暮らせるわけですね。

A国土が広い上に資源が豊富です。アルバータ州ではオイル・サンドという砂から石油ができるのですが、その埋蔵量がサウジアラビアの石油埋蔵量より多いです。未開発の土地がとても多い。

Q友人がケベックに山小屋を持ったのですが、人間より熊が多いくらい。「サンドイッチを食べようにもこれじゃ熊が臭いをかいで来て、おいしいおかずの人間がいるから(私たちを)食べちゃうんじゃないか。妻に『こんなところに住めない! あなたがここに住むなら離婚だ』といわれた」といっていました(笑い)。

A自然や野生動物の保護に力を入れていますから。

Q十数年前、子どもの一家とカナダの観光コースを旅したことがあるのですが(永田)、ゴルフコースでひょっこりと鹿が出てきたりするのが珍しくなかったですね。観光サービスもとても行き届いていました。ベビーシッターを予約したときもすぐにサービスが受けられ、ペンションに泊めていただいたとき、日本ではまだまだ珍しい時代でしたが食器洗い機や風呂にジャグジーがあって、感心しました。

Aカナダは観光客がとても多く、日本からも年間五十〜六十万人が来ます。特に秋の紅葉シーズンですとか、夏のバンフですとか。カナダは水が豊富で、世界の淡水の約七十%がカナダにあります。

Qほぉー。私たち(日本人)はプリンスエドワード島への憧れがとても強いのですが、カナダ人の間でも、老後をあの島で暮らそうという人は多いのですか。

A特にそういうことはないですね。みなさん、家族や友人のいる住み慣れたところで住むのが一般的です。また、カナダ全体にバリアフリーは進んでいます。カナダの憲法の中に「権利と自由の憲章」という法律があり、心身障害や人種、宗教などで人を差別してはいけないことになっています。大学などでも、車イスの人も簡単に入れるというバリアフリーのコンセプトが取り入れられているのです。交通手段を含め同様です。

Q単科大学や大学などの数はアメリカに比べて多いですか。

A数は多くないですね。また、国立はなく州立大学があります。

Q数は少ないかもしれませんが、人口当たりの比率でみた場合、単科大学などを合わせるとかなりあるような気がしますが。

A一人当たりに使う教育費はカナダのほうが高いかもしれませんね。職業訓練コースの学校など、バラエティーが豊かです。

Q大学を卒業した後、単科大学に入学する人がけっこういるように思います。日本では義務教育の場合、落第はありませんが、カナダでは落第はあるのでしょうか。

Aあるでしょうね。一番勉強しなくてはいけない時期は大学でしょうから、大学に行くためにはそれなりの点数をとっておかなくてはいけませんので。大学ではしっかり勉強しないと落第します。その点は日本と違いますね。また、日本では一度大学に入ると他の学部への転部が難しいようですが、カナダは比較的フレキシブル(柔軟)だと思います。

Q日本は少子高齢化が問題になっています。カナダではいかがですか。

A自然増以外で唯一人口を増やす方法として移民政策をとっているわけですが、高齢化は進んでいます。二○○二年、六十五歳以上の割合は十二・七%でした。少子化については日本ほど深刻ではありませんが、カトリックの(信者が多く、かつて子だくさんが多かった)ケベックでの出生率の低下は社会問題になっています。昔は二十人くらいの家族が当たり前だったので、現代的な生活になって少子化が進むのは致し方ないでしょうね。

Q(州によって)民法が共通でなく制度はそれぞれ違うのかもしれませんが、わりあい養子縁組が多いのではありませんか。

A比較的多いという実感はありますね。カナダ人の知人が中国から養子を受け入れた、といった話をよく耳にします。

Qわれわれの施設では、毎年モントリオール大学の学生四名に奨学金をつけて招いています。その中にはアフリカ系の方や中国系、東南アジアの方もいます。彼らたちは養子縁組みなんです。「よく選んでくれた」と、堂々としている。両親と肌の色が違っても違和感もないですね。

Aやはり小さいときからいろいろな民族の中で育ってきていますから、受け入れるという習慣があるのだと思います。カナダは養子縁組に関する法律が整っています。またリベラルな国でもあるので、同性同士の結婚を認める判例があり、これからは異性との結婚と同じような同性の結婚が認められるようになると思います。それから、カナダには戸籍がありません。出生証明書と市民権の証明書がそれに当てはまるものでしょう。

Q移民はアジア系の方が多いのですか。

A移民の歴史をたどってみると、始めはヨーロッパから、その後カリブ諸国やアジアからです。今はアジア系が多いです。特にバンクーバーは香港が中国に返還された後、香港からの移民が押し寄せました。バンクーバーはアジアの玄関口ですから、日本人も多いですよ。

 

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