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70歳以上の機関誌「銀杏」
特別インタビュー  
     
 
 銀行について思うこと
 
 
香山 昭三郎(75才)
 
     

 私はもとより経済の専門家ではなく、一介の素人の分際で何がわかるかといわれればそれまでです。しかし銀行は現在の社会で、いわばお金を全身に行き渡らせる循環器の役割をしているものだと思っています。循環器が正常に機能しなくなれば人間は死にます。社会が脳梗塞にならないため、銀行はぜひ正常に機能していて欲しいものです。
 さて先にりそな銀行が破綻状態になりました。銀行の経営を正常化するため約二兆円を出資し、資本金の三分の二を政府が保有することになったと聞いています。銀行の経営陣はがらりと入れ替わり、人件費をはじめとする経費削減など大リストラが行われるそうです。従業員の皆様は大変でしょうが、ほかの倒産した会社の従業員に比較すれば、首を切られなかった方はまだお幸せでしょう。
 日本人は六十年前の敗戦から始まってオイルショック、バブル崩壊などこれまでに何度も追いつめられて、そこから必死になってはい上がってきました。りそなの方たちも皆さんの先輩と同様、死んだ気になって火事場の馬鹿力を発揮して下さい。
 りそなが万一再建に失敗したら政府が出資した二兆円のお金は戻らなくなります。逆に再建が成功してりそなの株価が上がれば、政府は出資したお金プラスアルファを回収できることになり、りそなの人たちは国家財政に寄与したことになります。今苦しくても皆さんがきっと再建して下さることを信じています。頑張ってください。
 現在資産家たちはよい投資先がなく、無利子に近い国債や銀行の定期預金に金を廻しています。りそなは中小企業金融が得意な銀行だと聞いています。素人考えですが、たとえば「頑張っている中小企業への融資を小口に分けて、リスクは若干高いが利息は高くつけます」といって債権を証券化して分譲すれば、出資したいと思う人は多いのではないでしょうか。頑張っている中小企業何十社かをまとめれば、たとえ一部が倒産しても出資者は元本まで戻らないということにはならないでしょう。私の素人考えは現行法でできるのかどうか知りませんが、中小企業が喜び、銀行にも手数料が入り、世間の資産家にも投資機会ができるのはよいことだと思いますがどうでしょう。
 さて石原都知事は都で中小企業金融専門の銀行をつくるという構想をお持ちだそうですが、これは国営事業を民営化して経営効率を上げるという日頃のご主張に反しているのではありませんか。いわゆる金融の専門家も信用できませんが、さりとてお役人は失礼ながらもっと信用できません。天下り先ができれば都のお役人はさぞお喜びになるでしょう。私は都民のお金をそんな人たちの老後のために役立てることには賛成できません。りそな銀行に委託して、都に納付金を納めさせてはいかがでしょうか。賢明な石原知事のことですから、心配にはおよばないと思いますが。老人の世迷い言を並べさせて頂きました。

 

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