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70歳以上の機関誌「銀杏」
介護者の資質とは  
 
 
  政治が中々変わりません
 
 
鳥山 建夫(78才)
 
     

@小泉再改造内閣の発足
 自民党総裁選は小泉、藤井、亀井、高村の四氏で争われ、小泉氏の圧勝に終りました。
橋本派を二分させた青木参院幹事長の小泉支持の表明など、政策とは無関係に、解散、総選挙を睨んで「選挙の顔」として小泉支持の動きが高まったためです。
選挙のためなら、日頃掲げる政策も信条も捨てて省みない政治家のジコチュー、保身的な行動は相変わらずで呆れてしまいます。
再選された小泉首相は、再改造内閣を九月二二日夕に発足させました。前日の党三役の選任とあわせて、小泉首相の人事には一貫した主張と頑迷さがあります。民間、若手そして女性の登用と、周囲の反対に耳を傾けない頑迷さです。これらは決して悪いことではなく、一般大衆の喝采を浴びることもありますが、後に国民を納得させる成果を挙げなければなりません。目先の人気取り、独りよがりであってはならないのです。
三役人事で、山崎幹事長を副総裁へ祭り上げ、国民的人気のある安倍氏の幹事長への起用は、確かにアッと云わせるマジックでしたが、気になるのは近付く総選挙に向けた小泉氏一流のポピュリズム(大衆迎合主義)だけが目立つことです。ポピュリズムの危うさは一部の軽佻浮薄な大衆に迎合する小手先対策ばかりに捉われて、国民が真に求める社会実現のための本当の政策を見失うことです。

A衆議院解散・総選挙
 総裁選で圧勝した小泉首相は、再改造内閣発足後、解散・総選挙に打って出ました。
自民党としては小泉流構造改革の成果に国民の信を問う選挙、自由党との合併でパワーを増した民主党にとっては、二大政党の実現を訴えて、マニフェスト(政権公約)を掲げて政権交代を迫る選挙となりました。
 選挙の結果は、自民党が改選前の議席数から若干議席減らしたものの、与党三党合計で、絶対安全多数を確保して連立維持、首相続投を表明し、民主党は自由党との合併が好感を得て、議席を大幅に伸ばして躍進しました。
 民主党は政権担当能力が試される入学試験で一次試験は通ったが、合格したわけではないと云われますが、政権選択可能な二大政党の一つとして認められるようになったと見るべきでしょうか? 
 今後政局は流動的なものとなるでしょうし、自衛隊のイラク派遣問題の展開如何により、また年金改革や経済政策等の成否によって、小泉首相は厳しい運営を迫られると共に、来る参院選に向って大きな試練が予想されます。
ここで有権者として考えねばならないのは前回を下回る五九%台の投票率の低さです。いわゆる無党派層はあまり動いていません。政治不信のために支持政党を決めかねていると云われますが、動かなければ単なる棄権者の集団に過ぎません。長期政権下に発生する政官業癒着の是正のためには政権選択を推進する他ありません。そのために無党派層集団が動き出すのが必要ではないでしょうか?

     
 
  情緒でなく国益で考えよう
 
香山 昭三郎(75才)
 
     

 日本は「米国のボチ」だという人がいます。今の政府のやること全てを肯定するつもりはありませんが、「日本の首相が靖国神社を参拝したがどう思います?」とか、拉致国家の「北朝鮮敵視政策をやめろ」などという人たちは、どこかの国のボチではありませんか。
 イラク戦争に際してのロシア、フランス、ドイツなどの米国に対する態度、それに対する米国の反発。それぞれが自分の国益を考え、国連やいろいろな場で歯をむき出して争っています。独仏はイラクの利権を米英に独り占めさせてなるものかと、イラクの戦後処理に苦しむ米国を牽制しています。米国は第二次大戦でフランスをドイツの占領から救い出したのは自分だぞという頭があるようです。一方フランスはそんな古い話は関係ないと思っているようです。国益と国益が激しくぶつかり合う現在、国益が念頭にない脳天気は日本人だけではないでしょうか。
 新春号で筆者は米国製日本国憲法のまやかしについて書きました。当時米国は日本弱体化が国益に叶うと思っていましたが、朝鮮動乱が始まるとこれが国益に反することに気づいたようです。しかし米国は改正が絶対できないような憲法を作り、いわゆる自縄自縛の状態に自らを追い込んでいました。あわてて警察予備隊をつくり実質的な再軍備をさせた米国は、当時から一貫して日本に再軍備をさせたいと思っているようです。しかし日本が仮に核武装までして本格的に再軍備をしたら、米国の国益に反すると反対するでしょう。
 日本のお隣に北朝鮮という危険な国があります。尖閣諸島を自国の領土にしたいと虎視眈々と狙っている大国もあります。日本外交の選択肢が極めて狭いことは間違いありません。米国依存がどうのこうのと情緒的な反応をしている暇があるのでしょうか。
 日露戦争の時日本はロシアに対抗するため米英と結びました。日本にも「ロシアと戦争して勝てるわけがない。ロシアの要求に屈服すべし」という意見があったようですが、結果的には日本は最善の選択をしたようです。
 北朝鮮、領土問題があるロシア、それに共産帝国主義の中国は日本にとって最大の脅威だと思います。数年前旅行したインドで話をした紳士も、パキスタン、中国、ロシアを脅威だと明言していました。
 私は米国が正義の国だと思うほど素朴な人間ではありません。しかし米国は国と国との約束を比較的重んずる国であると思っています。米国は莫大な人命を犠牲にして占領した沖縄や硫黄島を日本に返還しました。不可侵条約を破り旧満州に侵入し、日本人をシベリアに連れて行き、強制労働をさせ夥しい犠牲者を出した国、どさくさ紛れにとった北方領土は返さないどこかの国とは大違いです。
 情緒ではなく、歴史を常に直視し、国益本位で日本の進むべき道を選ばなければ大変なことになるのは必定です。日独伊三国同盟を選び、米英を敵に回し、明治以来の大日本帝国を滅亡させた愚かさを思い出しましょう。

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