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70歳以上の機関誌「銀杏」
特別インタビュー
トルコ共和国
面積:780,576ku 人口:6,784万人
首都:アンカラ
元首:アフメット・ネジデット・セゼル大統領
言語:公用語はトルコ語
通貨単位:トルコリラ
  イスラム圏にあって古い歴史を持ちながら、政教分離の近代的政体の下で発展を続けているトルコ共和国
 六千年の長い歴史を持ち、かつてオスマントルコ帝国として世界に覇を唱えたことのあるトルコ共和国。トルコ共和国は、明治日本の開国以来一貫して親日国としてわが国民から親しまれて来ました。昨年は「日本におけるトルコ年」としていろいろなイベントが行われ、NHKテレビなどでトルコに関する報道が流れ、トルコに対する日本人の関心はかつてないほど高まっています。
 われわれ銀杏編集部も読者の皆様にトルコ共和国をご紹介しようと、昨年十一月二十八日夕刻大使館にお邪魔した次第です。ご多忙な日程を繰り合わせ、ソルマズ・ウナイドゥン大使閣下が自ら応対して下さり、一同大変恐縮しました。大使は赤いドレスに身を包んだ美しいご婦人で、気配りの行き届いた暖かいおもてなしを受け、一同リラックスして和やかな雰囲気の中でインタビューを行うことができました。
 なお爽秋号と新春号の合併号でお断り申し上げましたように、掲載が遅れ本新緑号になりましたことを改めてお詫び申し上げます。
 
     
 
  
 
     

大使閣下に花束を贈る岩城会長(右) 大使閣下が女性で、こんなにお美しい方であるとは想像しておらず、大変感動させられました。

 「ドウモアリガトウゴザイマス」 私は日本語を上手に話せませんが、どうぞごゆっくりお過ごし下さい。また過分なお褒めの言葉を頂き光栄に存じます。

トルコは昔から日本が尊敬している国で、長い歴史をお持ちの文明国としてかねてから憧れておりました。

 むしろ逆で、日本は経済大国で優れたテクノロジーをお持ちで、トルコは日本をお手本と考え尊敬して参りました。

 世界三大料理の一つトルコ料理

 私は子供の頃からお国のお話を聞きあこがれを抱いて参りました。特に女性の目から見て、世界三大料理の一つに挙げられているトルコ料理には興味を持っております。

 トルコ料理はバラエティに富んでいて、種類が豊富です。その一方トルコ人は日本料理が大好きで、お寿司なども好んで食べます。

トルコでは日本の刺身のような食べ方をなさるのですか?

 少ないが魚を生で食べることもあります。沿岸都市では生魚を塩もみにして、ラクという名前のお酒のつまみとして食べます。

トルコで食べる魚にはどんな種類がありますか?

 トルコの海は黒海など陸地に囲まれた内海なので、魚も小振りなものが主体です。

トルコ石についてお聞かせ下さい。

 トルコは宝石の輸出量が世界第二位で、トルコ石のほか金・銀・プラチナなど多数の貴金属・宝石を輸出しています。トルコ石と呼ばれるトゥルクアーズは元来青の意味で石の名前ではありません。トゥルクアーズという言葉から、他国の人がトルコ石と呼んだのだと思います。

 政教分離と女性の地位向上

大使が女性として重要なお仕事をされているのを見ますと、お国では女性の地位が高いのでしょうか?

 ほかのイスラム国家のことは存じませんが、トルコでは八十年前の一九二三年にムスタファ・ケマル・アタチュルクにより大きな政治改革が行われました。その改革は民主主義、政教分離、自由経済を三本柱にしたものです。この改革で男女平等が確立され、女性の地位向上が進みつつあります。

日本では男女雇用均等法が成立したのも最近のことで、この面では遅れていますね。

 私はトルコでは二人目の女性大使ですが、現在では十六名の女性大使が世界各国で活躍しています。しかし日本女性も国連で緒方貞子さんが活躍しておられたし、前文部科学大臣の遠山敦子さんは在トルコ日本大使を務めておられました。

トルコの家族構成に変化はありますか?

 昔はトルコでも大家族が多かったが、経済状況の変化やグローバル化、西欧化の影響で核家族化が進んでいます。現在は両親と子供二人の四人家族が平均的世帯です。

 若者が多いダイナミックな国

インタビュー風景 左から 本間様、大使閣下、岩城会長、永田様日本では六十五才以上の高齢者が人口の十八パーセントを占め、高齢化が悩みの種です。お国には高齢化の問題はありませんか? また国民の平均年齢は何才くらいですか?

 トルコは国民の平均年齢が二十六才と非常に若いです。二十五歳以下の若者が人口の六十五パーセントを占めており、これがわが国の活力の源泉です。国民の若さがトルコの発展の原動力になるものと期待しています。

それだけ若い人が多いと、高齢者は住みにくくありませんか? 世代間の対立問題はありませんか?

 私の母親はトルコに住んでいますが、毎週一度は電話で安否を確認しています。日本に来る前トルコにいたときも、別居している母と頻繁に行き来していました。またトルコでは近所つきあいが密接でお互いに助け合う習慣が根付いています。

 高成長だが悩みの種はインフレ

トルコには高齢者の年金制度がありますか?

 私の母は弁護士でした。母は弁護士時代に加入した年金を受けることもできるし、外交官だった父の遺族年金を受けることもできます。母は父の遺族年金を受けていますが、日本に比べると年金は低額です。

お国は慢性的なインフレに苦しんでおられると聞きましたが?

 物価上昇率が一時年率八十パーセントに達したことがありましたが、現在は三十五パーセントに押さえ込まれています。二十パーセントを切るのが当面の目標です。百三十万トルコリラが日本円に換算すると百円程度ですからゼロの数を数えるのが大変です。ですから年金に頼る高齢者は大変です。
 日本経済はよくないといわれますが、トルコ経済から見れば日本経済に問題があるとは思われません。トルコ国民の年収は平均三千ドル程度で、日本より一桁少ないです。トルコは地理的にヨーロッパとアジアの境目にあり、多くの国と国境を接しています。このため政治的にも経済的にも他国の影響を受けやすいのです。またテロにより大きな経済的ダメージを受けました。
 トルコが誇ることができるのは、経済成長率が年率六パーセントに達していることで、これは世界でも最高の部類に属しています。

 最大の産業は農業

お国で最も重要な産業は何でしょうか? 観光産業も重要であろうと思いますが。

 最も重要な産業は農業です。工業も活発で自動車以外は何でも国内で生産しています。貴金属・宝石も重要な産品です。今最も目覚ましく発展しているのは繊維産業です。バルカン半島やコーカサス地方を中心に、トルコは高品質で価格競争力の高い服飾品や、手工芸品、レース、絨毯、カーテンなどあらゆる繊維製品を生産しています。これら繊維製品はヨーロッパやアメリカなど全世界に輸出されています。

どんなハイテクでもお腹を満たすことはできないのですから、農業が盛んなのはお国の強みですね。ところでお国ではヨーグルトなど大量の乳製品を生産消費しておられると聞きましたが?

 私は来日してから日本では乳製品が種類、量とも非常に少ないことに驚いています。トルコではチーズやヨーグルトをはじめ、さまざまな乳製品が食卓に並びます。

 現在トルコが抱えている外交問題

EU(欧州連合)へのお国の加盟問題が、日本でも話題に上っていますが?

 近いうちに大きな進展がみられるものと期待しています。現在イタリアで行われている会議の模様を見守っています。加盟の障害になっているのは、トルコが加盟すると人口でEU二番目の大国になること、イスラム教国であることです。トルコとしては二千十年までの加盟に期待しています。

 トルコの若者について

トルコの若者はどんな分野に興味を持っておられますか?

 現在トルコの若者はインターネットなど情報分野に興味を示しています。若いエンジニア達が中央アジアまで活動の範囲を広め、活躍しております。

 トルコの歴史と遺跡

トロイの木馬に興味を引かれた少女時代を思い出しても、トルコの歴史、遺跡は魅力的ですね。

 歴史の長さでは紀元前六千年にさかのぼり、国内の到るところに遺跡があります。その特徴は地下遺跡が多いことです。メドゥサの首で有名な地下宮殿や、カッパドキアの地下都市など、二十三ヶ所の文化遺産のうち十三ヶ所が地下で発展したといわれます。

 日本とトルコの関わり合い

こどものころからトルコは夢の国として憧れを抱いてきました。大使にお目にかかり、親しくお話を伺い、ますますお国が好きになりました。

 昔和歌山県の串本沖でトルコ軍艦が座礁したとき、地元の方が献身的に乗組員の救助に当たって下さいました。また近年ではトルコ大地震でも、暖かい支援を頂きました。また古代トルコの研究に熱心な三笠宮崇仁殿下が遺跡の発掘にご協力を頂いております。ところで皆様はトルコにお出で下さったことがありますか? (残念だが一同の中には誰もトルコ訪問者がなく、恐縮しました) 是非一度お出かけ下さい。

インタビューを終えて 左から 本間様、大使閣下、岩城会長、増田様、島様、永田様、松尾さん、白須賀さん、坂本さん 大使閣下は「日本におけるトルコ年」の最中で行事もいろいろおありになったはずですし、先日イスタンブールでテロの非道な攻撃を受けられた後でもあり、さぞご多忙であったことと推察しておりました。その中でわれわれのため貴重な時間を割いて直接お会い下さったことは、日本国民に対する並々ならぬご厚意の表れと思っています。われわれ一人一人に握手して優しく言葉をかけて下さいましたことには本当に感動しました。
 通訳を務めて下さった大使秘書の本間基子様にも大変お世話になりました。ご馳走になったトルココーヒーの味とともに一同忘れられない印象を受け、全員が一層のトルコファンになって大使館を後にした次第です。

 

 

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