シルバーヴィラ向山TOPページ シルバーヴィラ向山TOPページ 催事 催事 花ちゃん通信 花ちゃん通信 出版・報道紹介 出版・報道紹介 機関誌「銀杏」 機関誌「銀杏」 施設紹介 施設紹介
70歳以上の機関誌「銀杏」
時事討論
     
 
  大義の話
 
 
増田次郎(七十五才)
 
     

 これまで香山昭三郎という怪しい筆名を使っていましたが、名前を隠す必要もないのでこれからは親からもらった名前で書かせて頂きます。よろしくお願いします。
 大東亜戦争が敗戦に終わったとき、私は八月二十日生まれなので十七才になる寸前でしたが、記憶は鮮明に残っています。終戦直前に盛んにいわれていたスローガンが「一億総特攻で悠久の大義に生きる」という言葉でした。今考えれば全く空疎な言葉ですが、このスローガンに酔って特攻隊員として戦死された方が大勢いましたし、さらに終戦後自殺なさった方までありました。私自身も本気で悠久の大義に生きようと思っていました。亡くなった方は本当にお気の毒でした。
 いろいろなところで米国のイラク戦争には大義がないという議論が盛んに行われています。特に国会議員で高い日当をもらっている方が、大義があるとかないとか真顔になって議論をしておられます。私のようなしがない翻訳屋はテレビでその場面を見ると「あんな言葉の遊びで高い金がもらえて結構なご身分だな」と思います。
 「大義のある戦争」があると本気で思っている方があるのは不思議です。戦争は本来人殺しで、殺すか殺されるかしかありません。米国人はサダム・フセイン氏やビン・ラーディン氏が今後何をするかわからないと思った。ニューヨークやワシントンで、またテロをやられてはたまらない。日本が米国に味方をするのは、北朝鮮や中国のように周辺に重武装した危険な軍国主義国家がいて単独で国を守るのが不可能だからではありませんか。友好国のはずの韓国でさえ日本の領土である竹島を敗戦直後のどさくさ紛れに奪い取って自分の領土だと切手までつくって強弁しています。国益を考えたら、米国と結ぶしか選択肢がないことは自明の理ではありませんか。
 平和のためだとか、人類の幸福のためだとか、戦争の理屈は後からついてきます。ありもしない大義などを後生大事に押し頂いても、何の御利益もありません。昔から「勝てば官軍、負ければ賊軍」と申します。
 日本がこの前の戦争に負けてから六十年近くになりました。「悠久の大義」という言葉は死語になったと思っていました。その古くさい実態のない言葉を持ち出して、国会の決議に欠席して幹事長に注意を受け「以後注意します」と謝った自民党の有力議員がいます。またその大義を振り回して、自衛隊派遣に反対している大新聞があります。前の戦争で悠久の大義に生きると特攻隊を礼賛した新聞社がまたしても「大義」です。現代の日本人で戦争に賛成の人はいないでしょう。私も戦争はご免です。戦争ほど引き合わないものはありません。しかし戦争しないといっていれば他国が攻めてこないなどと考えていては、この地球上ではとても生きて行けません。空疎な議論はやめて、国益第一で戦うべき時には戦う覚悟で、平和な生活を守りましょう。自衛隊の皆さんは本当にご苦労様です。ご無事でお帰りを心から祈っています。

 

このWebに記載されている全てのコンテンツ(文章、画像)の著作権は、
シルバーヴィラ向山と情報提供者に帰属します。許可なくほかに転用することを禁じます。