紫陽花の残りの色の鮮やかさ 登山電車に垣間見てゆく 噴水の小さきしぶき見て立てば 強羅公園に秋の白雲 七十路越え八十路も越えて卒寿とふ 己れの齢をつくづく思ふ 吉野 久米 夫逝きて母より長く華を見し 己れの齢をつくづく思ふ 陽差し強く青葉繁りてこの道に 「われもこう」ゆれて秋色の風 青柳 八重子 秋潮に一舟白し鋭角に かがやく跡を描きつつゆく 永田 和子