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70歳以上の機関誌「銀杏」
特別企画「若い世代に伝えたい一言」
 
  激動の明治、大正、昭和、平成を生き貫いて来られた方々にお話を寄稿いただきました。お話は全てご自身の実際のご体験に基づくものであり、その中から若い世代の方々が一筋の光でも見出していただきましたら幸いです。
 
     
 
 戦中・戦後の思い出
 
 
高橋 太郎(77才)
 
     

笑顔の高橋太郎様 私の中学、旧制高校、大学の時代は、第二次大戦の戦中・戦後でした。
 高校時代、次のような歌を友人と歌っていた記憶があります。
   民衆の酒「ドブロク」は
   戦士の疲れをいやす
   疲れてかたく冷えぬ間に
   血潮は顔を染めぬ
   高くなる配給酒
   そのかげに闇の酒
   ひきょう者去らば去れ
   我らは「ドブロク」守る
 当時は配給か闇かという時代でした。
 それから日本は目覚しい復興をとげて私達 の生活は豊かになりましたが、私達の心は貧しくなり、美しい日本語はくずれて来ているように思います。
 私は高校を卒業して次の三つのことを思いました。
 その第一は、当用漢字を使って正しい日本語の文章を書けること。
 その第二は、日本人として当然の教養ある知的な文章が書けること。
 その第三は、その知的な文章がすべての点において一般教養の水準をはるかに越えた、特殊な知性にあふれていること。
 この三つの条件が必要だということです。
 現在の日本語の乱れを憂えるこの頃、若き日に思った三つの条件は、真実必要なことだと改めて思っています。

 

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