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70歳以上の機関誌「銀杏」
特別企画「若い世代に伝えたい一言」
 
  新春号に引き続いて、激動の明治、大正、昭和、平成を生き貫いて来られた方々にご寄稿いただきました。  
     
 
 日本のこれからを背負って立つ若人へ
 
 
武内草三郎(八十才)
 
     

武内草三郎様(左)、御奥様と御嬢様と一緒に ようやく八〇の坂を越えようとしています。現状を見ると日本国中物資は溢れ、平和を謳歌しているようです。欲しい物は世界中何処からでも取寄せることが出来、又食べたいものは世界中の珍味を口にする事が出来ます。然しこのような生活は一人一人の努力なくしていつまでも続くと考えるのは無理があると思うのです。私の場合、昭和六年に満州事変が勃発してからは戦争に次ぐ戦争で昭和二〇年八月一五日まで続きました。その間食料を始めあらゆる物資が不足し「贅沢は敵だ」のスローガンのもと、金銀等の貴金属はすべて供出させられました。また食料等もすべて軍事優先となり、内地にいる一般国民には「さつまいも」等が主食として配給されました。農家の中には米を隠してこれを物々交換で都会の人々とひそかに取引をする者もいました。しかし戦後になってから、米国をはじめ連合国が多量の食料を供給してくれたお陰で我々の今日があるわけです。現在二〇才代の若い方々はお父さんあるいはお祖父さんからこのような話を聞かれたことがあると思います。そして現在は自由に何でも出来ます。しかしながら、ここで云う自由とは無責任に、好き勝手にやることとは違います。先ず、自由とは責任を伴うことです。先ず個人を確立して、やって良いこと、やって悪いことを判断する能力を養うことが大切です。こうしてその能力を世のために役立たせるためには何をやりたいのかを考えて、その道を突き進めば必ずや道は開けると思います。これからの日本は若い人々の双肩にかかっています。どうか皆さんが夫々の目標を掲げてこれに向って努力するようにして下さい。

 

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