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盛夏となりました。 アプランドル向山の庭の木々も育ち、緑したたる木蔭が目を憩わせてくれます。 山法師や夏椿の白い花は、「ありとしも青葉隠れに 見えざりし沙羅の木の花」という森 鴎外の詩を思い出させ、初夏にはその茂みにひよどりが巣をかけて、子育てのひとこまが見られました。涼しい音を生む小滝の辺りの岩は柔らかい青苔に彩られ、今年は淡紅の睡蓮の花が数を増して真昼の夢のように浮かび、夕方には人知れず閉じて眠るのです。
水面を蔽う浮き葉を軽くかすめて糸とんぼが遊び、時折り花を身じろがせて、金魚の朱がよぎる……懐かしい日本の夏の風情いっぱいです。
一方、シルバー世代にとって、夏は特別な季節。それぞれの八月十五日の記憶は、烙印のように残っています。激動の六十年を経て、今日あらゆる分野での進歩による恩恵は測り知れませんが、その反面、天災、テロ、環境等、様々な地球規模の危機が叫ばれるようになるとは想像もしませんでした。文明の進歩と人の心のアンバランスが心配されています。幸いに「古きよき時代」の心を授けられたシルバー世代としては、何をすればよいのか。個人的意見ですが、現在の生活に感謝を忘れず、謙虚に余生を楽しみ、又、誠実に出来る範囲で社会に協力して、せっかく生まれ合わせた日本という美しい国、敗戦に耐えて私達が守って来たこの故国を大切に考え、静かに見守ってゆきたいと思うこの頃です。
(永田)
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