| 羽織袴に威儀を正せるわが曾孫の
七五三の写真届きぬ
中庭の紅梅いまや咲き満てば
吾も古里恋しみ見入る
吉野 久米
山桜 花の命は短いが
散りて又咲く種族とわなり
戸木 喜代人
風強き夕暮迫り薄紅の
彩雲ながれ鳥をかたどる
チューリップ色あせぬままはらはらと
散りゆくさまを何にたとえん
戸木 登志子
空よりのシベリア凍土果てしなく
小さき窓より飽かず眺むる
時差ありて眠れぬ夜のもどかしさ
寄り添う犬の寝息聞き入る
林 晴美
春朧ろ楽しき夢のふと醒めて
一刻(いっとき)華やぎ空し現実
戸川 暁子
けやき立つ表参道たずぬれば
新同潤会低く輝く
思い出の東京五輪選手村
今ひっそりとあらがいもなく
由起 艶子
消えなずむ桜並木の夕茜
行き会う顔のなべて優しき
永田 和子
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