田の長き寡黙を破る春疾風 ふき煮るや故郷に向きて雲迅し 神山 白愁
夢の如 一と代過ぎゆく梅真白 遊園地鳴き交う烏春近し 吉野 久米
卓上に吾を慰め紅椿 K・N
ほのかなる風のささやき春の音 竹馬の友桜を待たず世を去りぬ 戸木 喜代人
春嵐万朶(ばんだ)の雲の迅きこと 万愚節(ばんぐせつ)若い娘の笑い声 藤田 寛子
春風に背筋伸ばして歩き出す 春めきて日毎に遅き夕茜 戸川 暁子
秘めしもの解くや崩れし紫木蓮 永田 和子