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今から二十年も前の話しです。当時は商社マンとして英国に駐在しておりましたが、地の利もありアフリカへの出張要請も多く、西の端のガンビヤから南の端の南アまであちこちを見て歩く機会に恵まれました。
野口英世とカカオで有名なガーナでのことです。東京オリンピックにブラックアフリカ国として初めてデビューした国でもあります。64年当時はアフリカ独立の星と云われたエンクルマ大統領時代で大層発展しましたが、その後の政変で国土は荒廃し、出張した84年当時は終戦直後の日本の様(世銀関係者の弁)であり再興の緒についたところでした。
帰途、土産店を訪ねました。木彫の人形やお面の類が大半でしたがいずれも稚拙で「素朴」以前の出来栄えでした。一方、アンティークと称する60年代の作品はなかなか味わいのあるものばかりでした。両者を眺めどうしてかつての技能が伝承されなかったのだろうと考え込んでしまいました。
政変で国内が混乱し生きることさえ難しい最中で木彫作家達は廃業を余儀なくされ、結果として技能は伝承されることなく廃れてしまったのであろうというのが、私の結論でした。
技能や芸能というのはやはり伝承文化なのですね。一度失うともう取り返せないものなのです。政治が文化を殺した好例と云えます。後継者を育て連綿と継続させる治世が必要です。文化に限らず事業も同様と考えるこの頃です。
代表取締役 岩城 隆就
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