練馬野に心さらして四季ありき 過不足なき人生なりき栗の花 吉野 久米 食膳の梨を食して秋を知る 二階から見上げる月の届きそう 戸木 喜代人 冬近し枯葉の山の吹きだまり 錦秋の旅の予定に遅い秋 戸川 暁子 ほろほろと音もなく散るシャラの花 由起 艶子 秋なれやふとよぎる風なつかしく 新米の炊き上りたる香りなり 藤田 寛子 仲秋の月そよそよと風連れて 永田 和子 銀杏散る地に明るさを拡げつつ 幼くて父母在りし日の万洙沙華 白愁