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人の世は一瞬の夢か幻か
九十八年の重きを思ふ
亡き夫の命をかけし事業これ
練馬病院に妻吾は来し
吉野 夫久枝(久米雅号)
モネの画を観たるここちす池の面に
黄と鵠色の睡蓮ぞ咲く
由起 艶子
少しずつ行きては休みやすみいる
老いひとをれば声をかけたし
沼の辺は木木しげりいて人居ねば
小声に歌う山のまた海の歌
土生 育三
秋冷の朝の光が矢となりて
壁の時計をひたと射てをり
永田 和子
私の秋水のおもてを見ていると
静かに動くあかい影のあり
青柳 八重子
夜目しるく浮ける灯籠川波を
染めつつ光り輝き合へり
夕暮れて湯ヶ野の里はいや晴し
水の音のみ高く嚮みて
黒川 英三
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