| 今年、来日したジェレミ ガニヨン君とギョーム ドレ君の二人の学生は、五月から八月までの学習を終えて元気に帰国しました。
ジェレミ君は、将来政治家を目指しておられるとのことで日本の特に「幕末」に学びたいとの強い要望をもっておられ、帰国後は戦国時代を学びたいとのことでした。
幕末は、日本がイギリス、フランス、アメリ等の列強の植民地にならずに近代国家への道を歩んだことに強い感心を持っておられるようでした。
三百年続いた江戸幕府とローマ帝国の繁栄そして衰退とを比較して研究しているように感じられました。
現実と理想を踏まえて、正々堂々と正道を歩まれる政治家として成長され、御活躍されることを期待したいと思います。
ギョーム君は、日本文学に強い感心を持たれて、特に谷崎潤一郎の研究をしているとのことでしたが、最初に日本文学に興味を持たれたきっかけは、吉川英治の「宮本武蔵」を読んでからということでした。夏目漱石、芥川龍之介、大江健三郎等いろいろの本を日本で買い求め、黒澤明監督の映画や宮崎駿監督の映画に感動しているとのことでした。
秋葉原でニコンの一眼レフカメラをお小遣いのほとんどをつぎ込んで買い、三千枚程の写真を撮られたようです。
ギョーム君は、モントリオール大学で三年日本文学を学び、来月からマギル大学で二年日本文学を学ぶそうです。現在カナダでは、この両大学とも日本文学の専門家は非常に少ないようですので、ギョーム君は、日本文学専門の教授を目指して頑張ることと思います。ギョーム君の活躍を期待したいと思います。
日本で最も印象に残ったことを聞きましたら、「日本人は、誰も親切で、うれかった。」と笑顔で話されていました。来年夏には、日本語の勉強に再び日本に来ることを希望されているようです。
この「岩城プロジェクト」は、十八年前からスタートしました。
日本の文部科学省からカナダに日本語普及のための資金が出されていますが、効果が出ていないことを憂いた岩城会長が資金を提供すると共に私的な奨学資金を集めて活動を開始したのが、最初です。
当初、日本語を勉強して、日本の歴史、文化に触れようとする学生は少なかったのですが、このプロジェクトから優秀な学生が日本語を学んで日本に来るようになりました。
はじめの頃には、道元禅師の「正法眼蔵」の全巻を神田の古本屋で購入して一年に一冊づつ読むと言われた学生がいて、岩城社長がこの全巻をカナダまで届けてあげたことがあるとのことです。
このプロジェクトにより百名弱のカナダの学生が、シルバーヴィラ向山を通して、日本の文化、歴史、習慣にふれて、有意義な体験をされたことと思います。
どの国に対しても、その国の文化、歴史を理解し、文化、歴史を尊重することが、世界平和につながるものと思います。
この意味で、日本とカナダとの交流をはかってきた「岩城プロジェクト」の意義は少なからず貴重な役割を果たしてきたものと思います。
(編集部)
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