機関紙「銀杏」特集

No.73 2023年3月号


特集1:お食事、厨房スタッフ紹介

ご飯がおいしい!が自慢です 思いやりキッチンレポート

都内の有料老人ホームのうち、給食センターなどに頼らず自営で食事を提供しているのはわずか23%。設立当初からこだわり続ける「おいしいご飯」への思いをレポートします!(取材:中根佳津子)

「3館それぞれにキッチンを持ち一人一人の好みに合わせます」

 取材に伺った日は、ちょうど消毒会社の点検が入っていました。「こちらの厨房は本当に清潔ですね。一匹の虫もいませんよ!」と驚いています。清潔なキッチンで、入居する皆さんが安心して食べられる食事を提供するのはもちろんですが、大切にしているのはそれだけではありません。

「食事が単なる栄養補給になってしまうのでは寂しいですよね。シルバーでもアプランドルでも設立当初から、食べることを楽しんでいただくにはどうすればいいかと、試行錯誤してきました」と施設長。

 そうした思いの現われのひとつが、一人一人の好みに合わせた配食です。たとえば朝食の牛乳は熱くするのかほんのり温めるのか、パンの厚さはどうか、耳は取るのか取らないのか、バターはつけるのか……好みを一人ずつ把握して、希望に沿ったものを出しています。コストや手間を考えて外注する施設も多い中、本館、5号館、アプランドルのそれぞれにキッチンがあることからも、食事に対する並々ならぬ熱意が感じられました。

「健康で長生きするには食事が楽しくなくちゃ!」

 さてさて、ではさっそくランチを試食。 本日のメニューは、わかめご飯、みそ汁、カジキマグロのカレーソテー、ジャーマンポテト、肉豆腐、漬物です。肉豆腐を口元に運ぶと、おや? 出汁の香りがふわっと鼻先をかすめます。日ごろつい味を濃くしてしまう私ですが、薄味なのにしっかり満足感があっておいしい! いつも残してしまうみそ汁も、飲み切っちゃいました。

 「清潔で安心、安全は大前提です。でも一番大切にしているのは、皆さまの笑顔です。『ここに来てよかった』と思っていただけることが、スタッフの何よりの喜びなんです」(施設長)。

 入居して、規則正しく三食の食事をとっていたら、健康的に10キロ痩せた方もいらっしゃるとか。血液検査もパーフェクトだったんですって。食事が、健康と深く結びついていることを痛感させられるエピソードでした。


<大好評の行事会>

 ここ数年はコロナでイベントもできず、行事食を楽しみにしている方がたくさん。「お正月に欠かせないお餅は、あまり伸びないタイプのものを仕入れて、アラレ状に小さく切っています。飲み込むのがむずかしい方には、はんぺんでお雑煮気分を味わっていただきます」(施設長)。スタッフが何日もかけて準備したおせちは、今年も大好評でした。

スタッフに聞きました

●大切にしていることは何ですか?


栄養士

犬塚さん

栄養はもちろんですが、馴染みがある気持ちがホッとする、お腹も心も満足していただける献立作りを目指しています。



調理師

佐山さん

勤続16年。皆様から美味しいとお手紙をもらった時はとても嬉しいです。

調理師

星野さん

日々料理の研究をしています。味だけでなく見た目の盛り付けにもこだわっていいます。

調理師

伴 さん

うまみを効かせることを重視しています。調理は薄味が基本ですが、出汁をしっかりとります。

調理師

大石さん

安全とおいしさのバランスを心がけています。食材を余らせないよう、メニューをアレンジするのが楽しい!

調理師

船見さん

目指しているの安心と美味しさ。皆さんが残さず食べてくれる食事を作ることです。

調理師

関根さん

皆さんが笑顔になれる、彩のある食事を心がけています。



調理補助スタッフ*下ごしらえから片づけまで大活躍