No.76 2024年3月春号
取材・文:中根佳津子
「健康は命より大切」なんていう冗談はさておき、元気な体は暮らしの礎です。
病気を予防し、不運を寄せつけないために、皆様が日ごろから心がけていることを今号と次号の2回にわたってご紹介します。
脳梗塞からの幸運な復活。
「感謝とご縁」がモットーです
インタビュー
青野様
昨年1月、山手線の車内で意識を失いました。異変に気づいた方が電車を止めてくださったらしく、救急車で搬送されたそうです。記憶はありませんが、話しかけられるとろれつが回っていなかったとか。脳梗塞でした。緊急手術と入院を経てリハビリ病院に移り、5月末にアプランドルに入居しました。こちらに入居して8カ月ほどになりますね。
リハビリ病院に入院中、30社にのぼる施設のパンフレットを取り寄せました。一人暮らしでしたから、自分の今後は自分で決めなくてはなりません。私は定年まで商社に勤めていたのですが、こちらの社長が偶然にも同じ会社に籍を置いていたことがあると知り、「よし、ここだ!」と。押しかけ入居みたいなものね(笑)。
脳梗塞は発見が早かったために後遺症もなく、今は毎日楽しく過ごしています。心がけているのは、筋肉が衰えないようにできるだけ歩くことかしら。頭も使うようにしていますよ。週に2回はアプランドルのお仲間と麻雀を楽しんでいます。指先も使うので、きっと脳へのいい刺激になっているはずです。先日は、花札にも挑戦してみました。先生役は100歳の方です。
外食が多くて野菜不足だった食事も、ここではバランスのよい献立でおいしくいただいています。以前に比べると規則正しい生活になりました。
いろいろな偶然が重なって今がある。ありがたいことだと思っています。ご縁を大切にし、いつも感謝の気持ちを持つことが私の一番の健康法です。
与うるは受くるるより幸いなり。
「無財の七施」を心がけています
寄稿
北之間様
正直、何度か死にそこないました。次男が身元引受人で急変の都度立ち合い、あとで聞かされる話でビックリしています。「よく生きてるな」と思い、今生きている不思議を感じます。
若い時から宗教遍歴をいくつかしています。そして、何か見聞きするたびにメモに残すのですが、そのメモから「無財の七施」の教え(与えよ、さらば与えられん)を列挙してみます。まず「眼施」。優しい愛の眼差しを与えること。第二に「和顔施」。ニコヤカに柔和な顔で人に対する時、それはそのまま相手への贈り物となります。第三は「愛語施」。言葉は神なりで、言葉には天をも動かす偉大な力があります。第四は「身施」。人のために体を使うことです。第五は「心施」。まごころで接すること。第六は「牀座施」。席を譲ること。最後は「房舎施」。家を何かに提供することです。
これに加えて、谷口雅春先生の「私はこうして祈る」を時に応じて活用しております。
早め早めに手当てすることが
健康寿命を延ばす秘訣です
寄稿
永井様
今日が一番若くて幸せな日です。2020年4月、転倒し背中を強く打ちました。でもコロナが心配で病院に行かれず、6月にやっと病院へ行きました。もっと早く正しい手当てができていたら、あそこまで体力が落ちなかったのでは、とその2カ月が悔やまれます。
年を重ねていく中で、不都合に気づいたら早く行動することです。例えば補聴器を使うこと。面倒で費用もかかりますが、これは生きる上での必要経費です。体の一部分を強制的に型にはめることですので、使わない方が体は楽です。でも、病状は進んでいくのです。そしてたくさんの楽しみを減らしてしまいます。遅くなればなるほど導入の困難は増し、放っておいてよくなることはなく、聞こえない方に進みます。少し耳が遠くなったと思った時にすぐ行動すれば進行は遅く、脳も聞こうと働き、認知機能低下を予防する効果が上がります。早め早めのお手当で、長い老後を楽しく過ごしましょう。
自分の心に正直に生きることを
心がけています
インタビュー
渡邉様
今年4月に102歳になります。たまにお腹の具合が悪くなったりしますが、今も特に体に悪いところはありません。
でも、子どもの頃は病弱でした。小学校も女学校も長期欠席しています。そういう状態だったから、無理をしないことが身につきました。それが結果的によかったのかもしれません。
健康法というほどのことはなくて、できるだけ規則正しく暮らす。睡眠はしっかりとる。食事はバランスよく。なるべく人とかかわるなど、心がけているのはごく普通のことばかりです。体を動かすことも大切だから、1日2000歩を目標に歩いています。廊下や階段を行ったり来たりするの。
自然でいることが一番だと思うんです。ものごとはなるようになる。やりたいことは我慢せず、やってみればいいと思って過ごしてきました。私は旅が大好きだったので、世界中を旅行しました。91歳の時には、船でカナダに行きましたよ。さすがにこの歳では難しいかもしれないけれど、悔いはありません。
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機関紙「銀杏」も当社ホームページも、ご入居されているお客様方の日頃の生活や活動を発信することを目的としております。
人は皆「誰かに自分の存在を認めてもらいたい。」と云う根源的欲求を持つものだと思っております。認められることで皆さま益々お元気になります。これが当社の信念「生きることは自己表現すること」に繋がっているのです。
また読まれた方より「高齢になられても皆さんこんなにも頑張られている。勇気づけられます。」との感想も頂いており嬉しく思っております。
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