No.75 2024年8月夏号

特集:私のとっておき健康法2

取材・文:中根佳津子


 100際長寿が珍しくなくなった昨今。

それにしても皆さまは、年齢を感じさせない元気と明るさです。

前号に引き続き、健康の秘訣を伺いました。


ひたすら一生懸命に生きる。

  今はご褒美のような毎日です

寄稿

大鹿様

 96年の歳月、どうやって暮してきたのかしら?とふり変えれば、「その時その時を、一生懸命生きてきた」という思いでいっぱいです。戦争を経て戦後の昭和の時代。日本が貧しくても張りきっていた時代。大変なこともありましたが、今までの人生全く後悔がありません。

 今は体にいいものを食べ、毎日「転ばない体操」に参加し、お天気と相談してアプランドルのまわりを2周する。ベルの会やカラオケにも参加する。お友達とのおしゃべりも楽しいわ。一番の楽しみは読書。目が疲れるからルーペを使うけど、夢中になるとルーペなしで読んでる。お陰様でご褒美のような晩年を暮しております。感謝です。



思い切り声を出して歌うと

  活力がアップするみたい

インタビュー

小川様

 私は同年齢の女性としては背が高買ったんです。それが気になっていて、だんだん猫背になっちゃったの。でも、姿勢が悪いと深い呼吸がしにくいのね。自分ではわからなかったけれど、健康診断で呼吸の検査がうまくできなくて驚きました。 

 そのころ、区の催しでボイストレーニングの教室に参加する機会があったんです。音痴だという自覚があって(笑)、人前で歌うことなんかなかったけれど、やってみるとこれがとっても楽しいんです。声を出すのは気持ちがいいんだって気がつきました。 

 レッスンはまず、教室の窓を開けて外に向かって声を出す、発声練習から始まります。しっかり声を出すと、体にエネルギーが充ちてくるような気がします。その後は、みんなで課題曲の練習。今は「オー・シャンゼリゼ」に挑戦中です。もうすぐ発表会でご披露するのよ。週に1回1時間。教室の仲間たちと思い切り歌うのが、楽しみな習慣になりました。 声を出すようになって、姿勢もシャキッとしたんじゃないかしら。おかげさまで健康に過ごしています。最近ますます活気が出てきちゃって、参加する活動がふえました。ハンドベルの会も楽しいし、日曜日の夜はカラオケ大会。英語サークルにも入りました。ほとんど日本語でしゃべっていますけど(笑)。もともと好きだった土いじりも続けています。アプランドルの屋上庭園で、せっせとお花を育てているんです。

 好きなことをやって、新しいことにも挑戦して、毎日が充実しています。こんなに恵まれた所で、楽しく笑って暮らしていたら、100歳なんて軽々と越えちゃうんじゃないかしら。



イヤなことからは逃げればいい

  自然体の暮らしがモットーです

インタビュー

木村様

 97歳になりました。今も体に特に悪いところはありません。丈夫に育ててくれた親に感謝ですね。

 私は戦中戦後を生きた人間なので、自分が必要だと思うものだけあれば十分に満足です。あれもこれもと欲ばる必要はないし、イヤなことや意地悪な人からは逃げちゃえばいいと思うの。私の電話はガラケーですが、これもメールと通話ができればいいと思っているから。

 自然に任せて、足るを知るということでしょうか。アプランドルのお仲間とは、「ばったり会」でおしゃべりしています。え?「ばったり会」ですか? 特に待ち合わせたりしないで、ばったり会ったらおしゃべりしましょ、ということです(笑)。そのくらいの気ままさがちょうどいいんじゃないかしら。 

 体を動かすのは好きですね。昔は山登りをしていました。最近何度か転んでしまって、今はつきそいがないと外が歩けないんです。お散歩は週に2回30分ずつと決められていますが、物足りなくて(笑)。だからアプランドルの廊下を歩き回っています。食事もおいしく頂いています。お肉が好き。魚よりも断然お肉派です。 夜はよく、アプランドルの涼しい屋上に上がります。街の灯をのんびり眺めていると、何だか私を誘ってくれているみたいで楽しい気持ちになります。肩に力を入れず自然体で暮らして、周囲のみなさんと仲良くできている。それだけで十分。心から幸せです。



嘘と悪口を言わない

  心の健康が体も健康にします

寄稿

峠 様

 幸い大病も災害も経験がありませんが、気分が落ち込むことはままあります。日ごろ心理的なマイナスモードは長く続かないよう注意しています。「病は気から」と言いますから。 

 山本直純氏いわく「鬱の時にはモーツアルト」。時には八木節なども効果大です。嘘と悪口を言わないことも、精神衛生によいと心得ます。熱すぎないシャワー、親友との一献、孫たちとのZOOM会話、新聞の川柳は特効薬。 

 腰痛とは長い付き合いですが、専門家の助けのおかげで現在小康状態を保っています。。自己流気まぐれリハビリの目標は、大好きな山歩きの復活です。これは私の一番の生きがいですから、まだ諦めていません。さぼりがちながら、折にふれてできるだけ歩く訓練を意識し、懐かしい北アルプスを孫たちと歩く夢を見ています。お笑いください。



特集:スタッフ紹介第5弾

「営繕スタッフ」

 蛍光灯が切れた。庭の雑草が気になる。あの服を早く洗濯しなきゃ。

気持ちよく暮らすための、目立たないけれど大事な作業の数々。

それを担っているのが営繕スタッフです。


⚫︎スタッフ インタビュー⚫︎

洗濯ルームのゴッドマザー。

 「キレイ・早い・正確」を心がけています

 勤続11年、営繕スタッフ最年長の榎元さん。週に3回、持ち場の洗濯室で本館90人分の洋服を取り扱っています。

 持ち場の洗濯室には洗濯機が5台。乾燥機とは別に干すのもあり、持ち主に間違いなくお戻しすることに常に気を遣っています。

 「洗濯室には皆さまのお名前シールを貼った棚があるのですが、たたんで棚に入れる時には、必ずお洋服に書かれたお名前を確認しています」 「すごくキレイになった」「早いわね」と言われるのが何より嬉しいという榎元さん。モットーは、キレイ・早い・正確です。月に数回のカラオケを楽しみに、笑顔で仕事に励んでいます。

勤続11年

榎元禮子さん



勤続2年半

吉川雅己さん

「今日は蛍光灯の取り替え作業。困った時にはすぐに駆けつけてくれます。」

修理修繕はお任せ!

  何でも手作りしちゃいます

 以前はデスクワークの仕事についていた吉川さん。定年退職した時に、これからは体を動かす仕事がしたいと思ったそうです。

 「もともとDIYが好きでしたし、社会貢献したいという気持ちもあったので、今の仕事は理想的です」とおっしゃいます。  

 トイレの調子がおかしい、鍵が壊れたなど、修理修繕はお手のもの。免許がないので複雑なことはできませんが、電気関係のちょっとした不具合ならパパッと直してしまいます。

 「廃品を利用するなど、工夫のしがいがたくさんあって、楽しく働いています」



植木をこよなく愛する

平山道雄さん

秋になると銀杏の実を加工。

ご近所でも大人気のシルバー産の銀杏!
「美味しかった」の一言が嬉しいです

お掃除大好き!

高岡真希さん

お掃除で、心も体も鍛えられているような気がします。いつも優しい笑顔に周りも自然と笑顔にさせます。

言葉の壁も何のその!

金 福住さん

出身は中国。花を咲かせるのが大好きです。いつも一生懸命に丁寧なお仕事が好評です。